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コロナで店を潰しました。幸せだった家庭も失くしました。借金だけが残りました。それでもメシは旨いのです。

借入金950万円。

それが僕に残った全てです。
あとは全て失いました。
これはリアルです。

 店舗経営を始めたのは3年前の2018年。当時「働き方改革」の波で時間を持て余したサラリーマンの私は、それ以前から長らく抱えていた不安と不満を一気に解消する夢を見たのです。

 たった3年の経験でしたが、地獄を見ました。用意した貯金はあっという間に底をつき、信じた人には裏切られ、やることなすことうまくいきませんでした。

 先月、店を畳んで、残ったのが1,000万円近い借入金です。これを10年かけて返していかなければなりません。返し終わった時、そこでやっとプラマイゼロのスタートラインに戻った時、僕には何ができるのだろう? やり直す時間はあるのかね? そう考えると、ただひたすらに憂鬱な気分になります。

 愛した家族にも捨てられました。そりゃそうです。愛想も尽かすってもんですよね。仕方がありません。全部自分で蒔いた種です。コロナは転落のきっかけではあったかもしれませんが、それが全てじやない。同じ世の中で(補助金とか給付金の話ではなく)同じ環境化でも頑張ってうまくピンチを切り抜けて、むしろ成功している人もいるのです。

 その事実がまた気分を悪くする。休業中の飲食店の店の主人が店の前に高級外車を泊めているのを見ると、考えが逝ってしまうこともある。いやいやソウジャナクテ、本当に自分の力で努力して才能を開花させている人だっているんです。

 どう考えたってこの2年間の間仕事がなくて、どうやっているのかわからないけど、なんとか生き延びて、希望を失わずに頑張ろうと思いながら、新規感染者のグラフに一喜一憂している人たちの気持ちの方が、僕にはよくわかる。

 けどその僕には生き延びる能力が足りなかった。事業を好転させられなかった。それだけです。負け組から這いあがろうとしたんだけど、ますます負けちゃったんだよ。店潰して、家族に捨てられ、借金背負って、生きていくしかないのです。

それでもな、毎日のメシは旨いんだよな。不思議です。

夢がなくても、生きていける。

夢に生きてみたかった男の、失敗の軌跡。

 僕自身の希望は無くしてしまったけれど、夢は掴めなかったけど、これから10年、借金返すために生きていくしかないのだけれど。才能に恵まれない挑戦というこの憂鬱なログを残しておくことが、もしかしたらなんかの希望につながったりするかもしれない。そう考えてみたものでした。

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